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医学分野におけるエビデンス(EBM、エビデンスレベル)

エビデンス(Evidence)とは、実験の結果を元に考えられる科学的根拠を意味しますが、医学分野においては、臨床試験の研究データなどがエビデンスにあたります。

かつての医学界では、医師個々人の経験に基づいて、それぞれの裁量にあわせて治療を行ってきました。

エビデンスは、このような科学的根拠のない治療法を排除し、「良心的に、明確に、分別を持って最新最良の医学知見を用いる」ことを目指し、臨床研究で収集されたデータに基づいた医療を行うための研究データです。

エビデンスを積極的に行うことによって、今まで学術的特徴が顕著なドイツの影響を受けた医学から、臨床重視の英米式医学へと、医学界はシフトしています。

また、EBM(Evidence Based Medicineの略)は、エビデンスベイスドな医療、すなわち「科学的根拠にもとづく医療」を意味し、インフォームド・コンセントの基本とされており、欧米では一般的となっています。

エビデンスは、いくつかの方法による研究や、従来の症例を分析、研究することによって導き出され、その方法次第で、「エビデンスレベル」が変わります。

「エビデンスレベル」とは、患者をはじめとする関係者からの信頼度の指標です。

新しい治療法に触れる際には、その効果について考える前に、その方法がどのような研究から出されたエビデンスなのかを知る必要があります。

臨床的観点から言えば、 エビデンスを示すことによって、医師は患者と相談しながら治療方針を決めていくことが可能になるのです。

科学に基づいた臨床試験の結果を裏づけにする医療は、生理的成因の解明に大きく関係する精神科分野においてたいへん期待されています。